2017/12/11 15:49
宝生流謡曲教授の飯田恭次さんに「いち字きまり」をご紹介させていただく機会がありました。
飯田さんは現在81歳ですが、現役でお弟子さんたちに能を教えています。
ーきょうは能のお稽古を拝見しましたが、飯田さんもお弟子さんも背筋がピンとしていて姿勢が綺麗ですね。
「能を通して呼吸を大切にしてきたこと、それに着物を着ていたことで、同世代より姿勢がいいなと思います。結果的にね。」
ー着物・・・和服と洋服で姿勢に違いを感じますか?
「ベルトは締めるだけでしょう。帯はコルセットのように姿勢をととのえる。
周りにコルセットをつけている人もいますが、自分は帯を締めてきたことで、ずっと整えられていたんだなと思います。」
ーそうなんですね! 簡単に着られる普段着の着物、というコンセプトで和服を作っているのですが、私ももっと普段から着物を着たくなりました。
「いいものだからね、帯とか和服っていうのは。いいものだからこそ、変化や見直しが必要なんですよ。」
いいものだからこそ見直しが必要、とおっしゃる言葉に、新しい和服の楽しみ方を提案している身として背中を押された気持ちになりました。
今回のシーズンで登場した千鳥格子柄の着物も、千鳥格子といえばイギリスの伝統的な柄です。
イギリスの柄なのに、日本の着物に仕立てても不思議としっくりくる。コンサバだけど、あたらしい。
そんな「いち字きまり」の魅力を、着物は一人で着られないし、と思っている方にこそ感じていただきたいなと思います。